博士進学する修士学生の心構え(自分ルール)の話

SNAC2012 も最後の記事ですね。なんで3つも記事を書かなきゃいけないんだ!!!と思ったりもするのですが、SNAC2012を楽しみにしている方々は、「なんで3つもクソ記事を読まなきゃいけないんだ!!!」と思っていたりもするでしょうから*1、そこら辺はおあいこということで、3つ目の記事も書きます。

最後のテーマは「博士進学する修士学生の心構えの話」ということで、一番黒歴史感が高いのですが、既に2つ黒歴史を出している上、その他ひどい黒歴史は色々あるので*2あまり気にしないで書きます。

最後は、博士課程での目標をつらつらと書いていきたいとおもいます。博士課程修了時*3にどのくらい達成できているのでしょうか。

目標(自分ルール)

1. 締め切りには追われない

「研究者とは締め切りに追われる生き物のことを指す*4」と誰が言ったかはわかりませんが、研究者の方々は日々締め切りに追われて生活をしている印象が強いです。もちろん締め切りドリブンで生活することで、研究のペースも上がり世の中幸せ!となるならいいと思うのですが、私の場合はそうもいかないみたいです。締め切りドリブンで一番犠牲になるのが論文を書く時間だと思うのですが、私の場合はまだ論文をパッパと書けるほど文章力・英語力が向上していないので、締め切りに追われずに自分のスタイルをつくり上げることに集中したいという意味合いが大きいです。

2. 他人の面倒はできる限り見る

先輩後輩関係なく、協力できることがあれば時間が許す限り率先してやろうと思っています*5。何を偽善者ぶっているんだと思われるような気がするのですが、これは自分のためでもあると思っています。「人の振り見て我が振り直せ」と誰が言ったかわかりませんが、自分のことだけやっていては成長は遅いと思います。やはり人のいい所は真似をし、良くないと思ったところはそこをディスカッションして、互いに学ぶのがいいのかなと。あと恩を売っておけば、いざという時に頼みやすいという点もありますしね!;)

3. ジャーナルをちゃんと書く

私の専門分野では、「トップ会議に通った=偉い」という方程式が少なからずあるかと思います。もちろん低い採択率の会議に通るようなクールな手法を提案したぜ!というのが研究者として一番うれしい瞬間だというのは否定しようがありませんが、そのあとのお片づけもしっかりやろうということです。会議の予稿集を書いている時、はじめに書いたものから色々削ってなんとかページ数に収めるというプロセスがあることが多いのですが、やはりそうすると言いたいことは完全には言えていないということになります*6。ジャーナルではページ数に制限があまりないため、今までわかったことをすべて書くことができますし、自分の研究の位置づけもはっきりと主張することができます。
さらにはアカデミックの業界で生きていこうと思うとやはりジャーナルの本数が重要になるとか聞きますし、そもそも博士号をとる要件にジャーナルの本数が入っていたりするので、生きていくためにもジャーナルって必要っぽいのです。
ということで面倒ですがジャーナル、ちゃんと書きます...つらい...。

4. 目先の成果に振り回されない

これは修士課程での後悔も含まれているのですが、目先の業績に釣られて研究をやるのはやめようということです。そもそも私は修士課程一年では賞金1000万円の某作文コンクール*7を多少なりとも意識をして研究活動を行なっていました。とりあえず業績があればいけるのではないかということで、目安となる程度の業績を出すことはできたのでその点では良かったですが*8、greedy になりすぎたという後悔があります。
もちろんこの二年間でアウトプット能力は格段に上がったと思いますし、研究の流れも身についてそれなりに先生から独立して研究を進められる自信もついたのでその点は非常に良かったのですが、いかんせんインプット量が少なかったのと、そこまで体系だった研究にはならなかったなという後悔があります。

博士課程は3年間ありますし、ほぼ純粋に研究に集中できる最後の期間(+ポスドク?)を学問をする能力に当てたいと思っています*9

5. チャンスは無駄にしない

留学のチャンス、奨学金を貰えるチャンス、偉い先生に話を聞いてもらえるチャンス、人前で発表できるチャンス、偉い先生の話を聞けるチャンスなどなど、世の中にはチャンスに溢れていますが、色々言い訳をしてそのチャンスを無駄にしてしまうことがあるかと思います*10。やはりそれなりにチャンスに恵まれた環境にいるので、それをできる限り有効活用していきたい所存です。

最後に博士課程のススメ

ここまで SNAC2012 を読んだ方は、博士課程とはオソロシイ!と思ってしまったり、かわいそうな子!と同情されたりするかもしれませんが*11、私を含む多くの博士課程の学生は楽しく生活しているはずです。そこで、(主に情報系の学生に向けて)最後に博士課程のススメを書いて締めたいと思います。

「3年間勤めて転職するなら博士課程進学してもいいじゃない!」

この言葉は私が考えたものではないのですが、結構お気に入りなのでよく言ってます。
情報系の学科ですとIT関係の職に就く方が一定数いるのですが、そういう職ですとやはり離職率が高いと聞きます。はてなダイアリーで退職エントリーを書いてははてなスターを稼ぐという光景、よく見ますよね。そのように3〜5年とかでポンポン転職をして良い環境を目指す*12ならば、そのひとつのキャリアに博士課程を入れてもいいのでは!?という主張です。最近ですと作文コンクールに落選しても研究室によっては学生にお給料をくださることがあるので、そういうところを選べば収入の問題もありませんし、なんといっても博士(○○学)という資格が手に入るのはすごい!博士課程進学しよう!!!!

*1:そもそも私の記事は見ないと決めているからそういうことを思わない、という可能性も否定できない

*2:ダブルピース写真もはじめはものすごい恥ずかしかった

*3:修了できるかはおいておいて.....

*4:要出典

*5:発表練習に付き合ったり論文や発表資料にコメントをつけたり研究の相談に乗ったり雑談したりなど

*6:実験とか削ることもありますし、関連研究とか既存手法との比較も書きたいだけかけることってないですよね

*7:結局今年は落ちましたが...

*8:コンクールには落ちたものの業績点は高かった

*9:もちろん業績は出さなければ生きていけないのですが!

*10:忙しいから/面倒だから、など

*11:同情するなら金をくれ

*12:キャリアアップというのですか?知りませんが